この時代に知る「身近マーケティング」入門

指定管理者制度(4)

Post2011.01.31    Category経済政策

指定管理者の選定委員の構成で一般市民の公募枠を設けている自治体が多い。
しかしその人選においても「出来レース」と思われる場合が多く、純粋な公募型は希少である。

今、私が選定委員になっている某市の公募は希少と思われる純粋公募型であった。

某市となんら関係を持たない私が人選されたことがなによりもそのことを証明している。


某市は昨年市長が変わった。
新市長はより市民との対話を求め、より民主的な市政運営を志向しているように思われる。
このような選定委員の公募においてもその姿勢の一端が伺える思いである。



少し前置きが長くなったが、市のある施設の管理者選定の様子を記したい。


その施設の管理者の応募は3団体あった。
従来、市から管理委託されていた団体、前回の指定管理者選定委員会で選定された団体、そして今回新たに応募した団体の3団体であった。


応募書類は応募目的・方針、事業活動計画、施設管理の収支計画等々が内容となっており、資料等も合わせると悠に100ページを超えるものである。

その中の収支計画において、3団体とも市から支給される指定管理料の範囲内で計画されていたのであるが、新たに応募された団体はその金額よりも低く抑えプレゼンテーションしていた。

それを可能にするために、研修会等々の事業を積極的に行い、事業収入を得ること等が計画されていたのである。


プレゼンテーションにおけるその団体のプレゼンテーターは非常にロジカルでわかりやすい説明に心がけており、声も大きく、とても好感がもてる内容であった。


他の団体のプレゼンテーションは平凡で、現状に対する問題意識も希薄で改善意欲も低く、管理者として選定を勝ち取ろうと言う気迫・意欲が余り伝わってこなかった。


当然、選定委員会では新たに応募した団体を支持する意見がほとんどであり、その団体を選定することが決定されたのである。



この団体は市議会で指定管理者として上程され正式にその施設の管理者として決定される予定である。

施設の今後の活用状況、それによる公共サービスの充実等に大いに期待しているところである。





指定管理者制度の運用次第で各自治体の公共サービスはその充実度が決まると言っても過言でない。

指定管理者制度(3)

Post2011.01.25    Category経済政策

私は現在、某市の指定管理者選定委員として指定管理者選定委員会に出席させていただく立場でもある。



自治体の施設の管理運営については、施設設立時のいきさつ等により自治体が直営管理にするのか、指定管理者による管理運営にするのかが決められる。

指定管理者制度は後者の「指定管理者による管理運営」と決められた施設に対して適用される。


自治体は「指定管理者による管理運営」と決めた施設については、指定管理者を希望する団体を広く公募する。


公募期間は決められており、希望する団体はその期間中に提出必要書類をまとめて応募をする。
そして指定管理者選定委員会でプレゼンテーションをする機会を待つ。


前回、現状の指定管理者制度の運用面における課題を列記したが、そのなかで、「指定手続きの透明性の担保」について触れた。

現状では、特に地方においては、その応募段階から既に「出来レース」となっている場合が多い。

「適切な管理者が見つからない」と言う理由で、広く公募をせずに自治体幹部職員の天下り先になっている外郭団体等に管理委託を継続して委ね、指定管理者とする場合多く見られる。




しかし、少なくとも某市の指定管理者制度においては、この制度の本質追求をしようとする姿勢が貫かれており、管理者選定を行っていると思っている。


応募団体の提出書類とプレゼンテーションを踏まえて、選定委員のメンバーは充分な討議を重ね、そして意見を収斂させて、ベストな団体を選定している。
だから時にはPM9時近くまで白熱した討議がされ意見の収斂に時間が費やされることもある。



尚、指定管理者選定委員会の選定団体はあくまでも案であって、それは市議会の決議をもって正式に指定管理者として決定されるのである。

指定管理者制度(2)

Post2011.01.18    Category経済政策

指定管理者制度とは「公の施設」を民間事業者、団体を指定して管理運営される制度である。


「公の施設」は従来は自治体が直営管理するか、自治体の外郭団体が管理受託するかで運営されており、民間事業者の参入は規制されていた。

それが2003年6月の地方自治法の一部改正により、自治体が管理委託している「公の施設」を直営化にするか又は指定管理者制度に移行するかが求めらたのである。



指定管理者制度は官の世界に市場原理・競争原理を導入することで、@施設の管理運営費を低く抑える、A公共サービスの質の向上をめざすこと等が大きな狙いであった。


ただこの指定管理者制度の運用面においてはいろんな問題点が指摘されている。


まず指定手続きの透明性がいかに担保されるかである。
選定委員の人選、選定プロセス等の透明性はまず必要重要事項となるがそれをいかに担保するかが問われる。


又、指定管理者の選定要件、管理権限の範囲、指定期間等は条例で定められるが、果たして適切な内容となっているかである。


さらに、指定期間が比較的短期(例えば3年)の場合は事業評価のみに目が向き、その指定管理者で働く担当者の人材育成等が疎かになり、人材が育たない 等も心配される。



2009年4月時点で全国70,022施設に導入され、うち約20,000の施設で民間企業を指定している。

参考文献:yahoo百科事典





指定管理者制度(1)

Post2011.01.10    Category経済政策

明けましておめでとうございます。
皆様にとりまして本年も素晴らしい年になりますようにご祈念申し上げます。


昨年末は業務多忙を極め、こちらブログをお休みいただいておりました。

今週から新たな気持ちでスタート申し上げたいと思っております。
本年も相変わりませずよろしくお願い申し上げます。


今月は私達の身近なところで見られる経済政策の指定管理者制度についてお話をしたいと思います。


今回はまず、最近よく聞く言葉である「小さな政府」「大きな政府」ということについて話させていただます。



「小さな政府」とは文字どおり政府の規模・権限を小さくして、市場への介入は出来る限り最小限にする。
すなわち政府の経済政策は最小限にして、個人の責任(自己責任)の元で経済活動を行い、市場にすべてを委ねるという考え方である。

レッセフェール(自由放任主義)と呼ばれるアダムスミス以来の伝統的経済主義の考え方が基本になっている。


「大きな政府」とは全く逆の考え方で政府・行政の規模を大きくして、経済活動等を多分にコントロールして行こうとするものである。
ケインズ主義経済政策はこちらの考え方と言える。

一般的には好況期は「小さな政府」がフィットし、不況期では「大きな政府」がフィットする。



究極的な「大きな政府」は共産主義社会と言える。

マルクス経済学理論の実践社会であり、国家が経済の全てをコントロールするものである。
市場の概念はそこには全く存在しない。

この社会の経済の崩壊は、ソ連を口火に全世界に広がった。
ご存知のとおりソ連は現在、国名もロシアと変わり市場主義経済(資本主義経済)社会となり経済の再生に成功している。

又、中国は共産党一党独裁体制は堅持しながらも、経済においては改革開放政策を推し進め、市場主義経済の社会となっている。

特に中国は現在、GDPにおいて日本を追い越し、世界第二位まで経済成長した。

純粋に共産主義・社会主義経済体制を現在でも維持している国はほんのごく一部の国のみとなっている。

極貧困国となっているその国の現状を見るとき、人間社会においては市場原理の経済の仕組みは不可欠であるのだなぁと思う。


共産主義経済運営の大きな欠陥はまず何よりも費用が掛かりすぎるところにある。

市場に任せれば市場が勝手に全てをコントロールして経済運営をし、費用が全く掛からない(見えざる手により運営)にもかかわらず、究極的な大きな政府である共産主義経済運営の国では、全ての財の市場価格から販売数量まで政府が決めることになる。
そのために掛かる経費は莫大なものとなり、高コストな経済運営を強いられるのである。

又、人間の根源的高次欲求と言われる自己実現欲求と言う概念はそこには存在しない。

少なくとも現在の世の中においては共産主義経済社会・社会主義経済社会は合わない仕組みだと言える。




話が横道に逸れてしまったが、指定管理者制度とは2003年6月に地方自治法の一部を改正する法律の下で施行されるようになったもので、まさに「小さな政府」を志向する制度である。


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