
高田社長の考えに共鳴
2011.08.16
身近マーケティング
3・11の大震災以来、日本の復興に向けた取組みがされてきた。
テレビでも経済評論家等が「今後のあるべき日本の取組み」について持論を展開されディスカッションされているのを見かける。
そのような中で、テレビ通販のジャパネット高田の高田明社長がテレビ番組のパネリストとして出演されたことがあった。
大震災の後すぐだったように記憶している。

ジャパネット高田はテレビ通販のスタジオを自前で持っている。
テレビの制作スタッフの社員は70人いると言う。
会社の業績は60秒のショッピング番組の制作にかかっているのである。
高田社長ご自身が出演され、甲高い声でテンションを高くして商品を説明されている姿を良く見かける。
あのテンション高さは、何とかしてお客様に商品のよさを伝えたいと思う気持ちが自然とそのトーンへと導かれてしまうとのことである。
パネラーとして出演された時、日本を覆っている自粛ムードを懸念されていた。
経済の自粛が日本をダメにすると力説されていた。
事実、ジャパネット高田は震災後10日間はテレビショッピング番組を自粛する予定だったのだが、3月16日から番組の一部を再開して、テレビ等の商品を紹介して、その売上の全てを義援金にしたのである。
高田社長個人としても巨額な金額の寄付をされたことは周知の事実である。
経済はまず消費が第一である。
ジョン・メイナード・ケインズの有効需要の原理が教える。
ネーミング(ブランディング)の力
2011.08.10
身近マーケティング
一週間ほど前だが仕事を終えた後、敦賀市(福井県)に飲みに行った。
敦賀は日本海を臨み、新鮮な魚介類を食することができる街としても有名である。
美味しい鮮魚を提供してくれるお店は多いが、その中の一軒、ホテルつるや(敦賀市津内)は料理長がカウンターに出て、接客をしながら顧客の要望に対応してくれる。
鮮魚と言うと飲み物は日本酒となる。
「さっぱりしていて少し辛口の日本酒を…」と オーダーしたところ、福井の銘酒「いっちょらい」を推薦していただいた。
「それをお願いします」とオーダーすると、大きな声で「いっちょらい一丁」と声をかけられた。
ネーミングと一丁に韻を踏んで、店内に響き渡る声にリズムが生まれている。
「いっちょらい」を辞書で調べてみると「一張羅=いっちょら」で、もっている衣服の中の、ただ一つの晴れ着 とある。
ネーミングの良さばかりでなく、お酒の味も格別であった。
当然、再度オーダーした。
この話と少し似たことが、MJの招客招福の法則で掲載されたことがある。
ある居酒屋ではオープン当初から1ℓ容量の「メガジョッキ」が、大容量の珍しさもあり人気商品であった。
しかし3ヶ月も過ぎると「重く飲みにくい」「飲むのに時間がかかるからぬるくなり美味しくない」の苦情が出て急速に売れなくなってしまった。
しかし店主は手を打った。
「メガジョッキ」のネーミングを「男前」に変更したのである。
お客さんから生ビールの注文が入ると「当店は普通、大、男前の3種類の大きさから選べます。どうされますか?」と店員が聞く。
すると「そりゃ男前でしょう」と注文されるようになり、売上は急増していったとのことである。
ネーミング、ブランディングの凄い力を感じる思いである。
アメリカのファーマーズマーケットは2倍に伸長
2011.08.02
身近マーケティング
日本では「道の駅」のような産直市場が、今人気を集めている。
近郊農家がその日朝採れた作物を直接「道の駅」に運び、ローカル色豊かな土臭い売場で販売している。

アメリカの「ファーマーズマーケット」は昔から存在していた。
20年以上も前であるが、流通業の先進国であるアメリカのショッピングセンターの流通視察に数度行った経験をもっている。
流通視察のなかびに観光旅行でヨセミテ国立公園に行ったことがあるが、バスでロスからヨセミテ国立公園に移動中に、田舎のスーパーマーケットに立ち寄った。
店名も「ファーマーズマーケット」であったと思う。
什器は木製で、ちょうど今の日本の「道の駅」と同じような雰囲気を持っていた。
その時は「流通先進国のアメリカでも田舎に行けばこんな店もあるのだなぁ…」と特異に感じたことを記憶している。
時代の流れでこのような店もそのうち淘汰されるものと思っていたのである。
そのように思っていた「ファーマーズマーケット」がアメリカではこの10年間で2倍に伸びて6131ヵ所存在していると言うのである。
クリンリネスでぴかぴかに磨かれたフロアー、最新の什器を使いカラフルな商品でカラーストライプを作り、山積みされた陳列ショーケース……ボンズ等のスーパーマーケット(チェーンストアー)がアメリカの流通業である!とばかり思っていて、流通視察は大型ショッピングモール内のナショナルチェーンストアーのみに限定し見学をしていた。
しかし前述のようなフォーマット一つで顧客ニーズが満たせる筈がない。
「ファーマーズマーケット」は買い物時の人と人との触れ合いが生む暖かさをもったフォーマットであり、ニッチフォーマットと言えるのである。
参考文献:MJ「米国流通 現場を追う」
「道の駅」の隆盛
2011.07.26
身近マーケティング
皆さんは、「道の駅」はご存知だと思う。
全国一円に展開されていて、今では970箇所あると言う。
地産地消の代名詞のような存在で、特に新鮮な青果物、特産品等が売り物となっている。

「道の駅」の所轄省庁は国土交通省で制度開始時は建設省であった。
モータリーゼーションの進展で高速道路だけでなく、一般道路においても、自由に利用できる、トイレ・休憩所(サービスエリア)、駐車場(パーキングエリア)の設置のニーズが高まっていた。
従来はレストランやドライブインがその役割を果たしていたのだが、そこはそこを利用する人だけに限られており、又24時間自由に利用できるものでもなかった。
1993年に、そのニーズを満たすことを目的に「道の駅」は全国で103箇所が設置されることとなった。
ただ設置の目的は、ニーズ充足だけでなく、施設を利用した地域連携、地域活性化の効果も盛り込まれていた。
その地域の特産品紹介をするサービス、地域の新鮮な産物等を即売するコーナー等を設けることでその目的を果たそうとした。
省庁の壁を越え、地域振興施設の整備促進を行うこととなったのである。
(小売業の大規模小売店舗立地法は経済産業省が所轄している)
あれから20年近く経過したが、当初の目論見どおり、いやそれ以上に「道の駅」はすっかり私達の生活に溶け込んで、期待されていた効果も充分上がっているように思われる。
私は流通業界の出身であるが、「道の駅」のような業態がこのように隆盛してくるとは想像だにしなかった。
チェーンストアーの本場であるアメリカでも、今、同じ現象が起きていると言う。
次回はアメリカの流通事情を述べたい。
参考文献:フリー百科事典「ウィキペディア」
教育と言うサービス
2011.04.12
身近マーケティング
私は4月からJR渋谷駅から歩いて数分のところにある某大学で教鞭を取らしていただいている。
以前MJ(日経流通新聞)の マーケティング八塩圭子ゼミ 「サービスは共同生産」 とのタイトルで公立学校の教育について論述されたことがあった。
公立学校は民間企業のサービス業とは違うものの教育と言う無形の価値の提供者、すなわち教育サービスの提供者であることに違いない。
だからサービスマーケティングの考え方があてはまる。
サービスマーケティングではサービスを生産し、顧客に提供するまでの一連の過程をサービスデリバリーシステムと呼ぶ。
その過程で投入されるのは
@接客担当者(contact personel)
A物理的環境施設
B顧客の共同参加 の3つのサービス要素がある。
特にB顧客の共同参加 はサービスマーケティングの特徴的な項目であろう。
サービスエンカウンターとはサービス前線(サービス提供者と顧客が出会う場)のことを言うのであるが、そのサービスは、サービス提供者が一方通行的にサービスを提供するだけでない。
企業と顧客(エクスターナルマーケティング)、接客担当者と顧客(インターラクティブマーケティング)が相互作用を及ぼしながら、サービスが行われる。
顧客の共同参加 である。
私は講義中、理解度を確かめるため学生に質問をする。
学生が質問に対して的確に答えてくれば、講義内容の理解が出来たことを示す客観的事実になり、他の学生も講義内容に納得する筈である。
逆に、学生が私に質問した場合、私はその質問に対して納得感の高い、分かりやすい説明ができれば、より理解度が高くなる授業となっていく。
私の質問に対して学生が答える。
学生は私に質問をして、私は的確に答える。
すなわちサービスを受ける側も共同参加して「サービスの共同生産者」になるのである。
今年一年間はサービスマーケティングの基本を大切にして、教育サービスの質の向上に努めたい。
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