
農商工等連携促進法
2010.10.24
中小企業政策
農商工連携とは文字どおり、農林漁業者と商工業者が通常の商取引関係を超えて、お互いの強みを生かしシナジーを発揮して、新製品、新サービスの開発を行うことである。
それにより需要を喚起・開拓して日本経済の活性化、地域の雇用創出、地域経済活性化へと繋ごうとするものである。
平成20年7月21日に「農商工等連携促進法」が施行された。
この法律は農商工連携に取り組む事業者の事業計画を国が認定して、その事業を各種支援策でサポートするものである。
事業計画の申請は農林漁業者、商工業者の両者が連名で申請をする必要がある。
国の認定基準のキーワードは@有機的連携 A経営資源 B新商品・新サービスの開発 C経営の改善 となっている。
特にB新商品・新サービス は
まず市場性(売れて利益が得られるもの)
新規性(これまでに開発・生産したものでない)
優秀性(他に比べ優秀)
があるものとなっている。
事業計画を申請して国の認定を受けると大きなメリットが与えられる。
補助金の付与、優遇金利での融資、信用保証協会の債務保証、優遇減税(設備投資等の減税) 等々が与えられる。
補助金の付与では新製品開発に係る試作、実験、マーケティング、市場調査等にかかる経費を補助される。
但し100%補助ではなく、補助率は2/3以内となっている。
ここに、国の姿勢が現れていて、事業者のやる気の高さ、志の高さを求めるを求めているのである。
(以前あったような補助金目当て事業には支援しない!姿勢である)
過日、虎ノ門にある独立行政法人 中小企業基盤整備機構で農商工等連携計画認定事例集を5冊いただいて来た。
各冊子ごと70例ほど掲載されており、日本各地で活発に事業推進されていることがうかがい知れる。
今日の中小企業政策
2010.09.29
中小企業政策
前々回のブログの最後のところで「中小企業新事業活動促進法」に触れたが、この法律は2005年制定されたものである。
この「中小企業新事業活動促進法」の制定を契機にして、中小企業政策は
施策の対象を明確化した実行性の強い政策に転換したといえる。
例えば、2007年制定の「地域資源活用促進法」(中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律)は地域固有の資源を活用して、売れる商品、サービスづくりや地域ブランドの実現等を目指す取組みに対して支援を行うものである。
また、2008年制定の「農商工等連携促進法」(中小企業者と農林漁業者とによる事業活動の促進に関する法律)は中小企業者と農林漁業者が連携して相互の経営資源を活用することで、新製品や新サービスや新しい地域ブランドの実現を目指す取組みに対して支援を行う。
このように2つの法律とも、政策自体が施策の対象範囲を明確にして、その結果生じる政策的効果も明確化されているところが特徴的である。
また、特定業界や特定団体を対象にしているのでなく、地域起こしや新産業起こし等を自らの事業開発を通じて実現を目指す、意欲や志が高い中小企業者や、その連携先の農林漁業者、協同組織を施策の対象にしている。
※以上の内容出典:農商工連携等人材育成事業研修テキスト
(全国中小企業団体中央会出版・明治大学政治経済学部 森下正教授執筆)
一昨日、NHKの番組「クローズアップ現代」で 特産品ハンター を取り上げ放映されていた。
地域に埋もれた優れもの、少し値は張るが品質の高いこだわりの商材、付加価値を高めた商材等々、あらゆる特産品を求め全国をくまなく捜し求める、いわゆる「特産品ハンター」 を取材していた。
前述した2つの法律は、このような機能(特産品ハンター)をも作り出し、疲弊している地域経済の活性化に繋げようとしているのである。
今、地域特産品を開発すること、その販路を開拓開発すること、そしてその優れものを世の中に広く知らしめる行為は国が求めていることなのである。
交流・連携・共同化の推進
2010.09.21
中小企業政策
前回は国の中小企業政策での「経営革新と創業促進の支援」について述べた。
今回は「交流・連携・共同化の推進」について述べたい。
まず「中小企業連携組織対策」として、国は各種団体が組合等を作りやすくする為に法律を制定しインフラ整備を行った。
従来、組合を作り法人格を得るためには定款に制限が加えられていた(行う事業が制限された)。
その規制を緩和して組合を作りやすくして、さらに会社(株式会社等)への変更もしやすくしたのである。
「中小企業等協同組合法」に基づく組合としては「事業協同組合」がある。
地区内の小規模事業者が相互扶助の精神で協同して事業に取組み、相互補完を目的とする組合である。
多くの組合はこの「事業協同組合」となっている。
他に「企業組合」がある。
これは個人で加入でき、会社に近い組織である。
経営者であり、従業員であり、株主となる。
「中小企業団体の組織に関する法律」に基づく組合としては、
共同利益を追求する「協業組合」、業界の改善発展を目的とする、資格事業が営む「商工組合・商工会連合会」がある。
「商店街振興組合法」に基づく組合としては、
地元商店街で商店、サービス業を営む人達が、商店街の振興発展を目的に組織する「商店街振興組合」がある。
これら「中小企業等協同組合法」「中小企業団体の組織に関する法律」「商店街振興組合法」の政策実施機関は「中小企業団体中央会」となっている。
「中小企業団体中央会」とは前述した「中小企業等協同組合法」に基づき設立された、組合制度の発展普及を目的とする各種組合への指導団体である。
一方、連携事業の促進政策の切り札として2008年に「農商工等連携促進法」が制定された。
今、私が一番関心を持って、今後活用したいと考えている法律はこの「農商工等連携促進法」である。
次回は「農商工等連携促進法」について述べさせていただきたい。
中小企業への期待
2010.09.16
中小企業政策
中小企業とは中小企業基本法で数量的定義として次のように規定されている。
「製造業:資本金3億円以下又は従業員数300人以下」
「卸売業:資本金1億円以下又は従業員100人以下」
「小売業:資本金5000万円以下又は従業員50人以下」
「サービス業:資本金5000万円以下又は従業員100以下」
このような中小企業は事業所数でみると、日本全体の事業所数の99%以上も占めていることに驚かされる。
すなわち、日本の企業のほとんどは中小企業であり、大企業と呼ばれている企業は僅か1%未満なのである。
日本経済を支えているのはまぎれもなく、この“中小企業”なのであり、中小企業の業績はそのまま日本経済を左右しているのである。
中小企業を元気にすることはイコール日本経済が元気になることを意味する。
だから国の中小企業政策のは日本の経済政策そのものと言える。
具体的政策アプローチとしては経営革新と創業促進の支援があげられた。
法律は「中小企業創造活動促進法」「新事業創出促進法」「中小企業経営革新支援法」が制定され、さらにそれら3つをまとめた「中小企業新事業活動促進法」が制定された。
その内容は、金融支援(無利息・低利融資等)、税制優遇(欠損金の繰越還付等)、補助金助成金の付与、直接金融の道を開く(私募債等) 等々である。
前回のブログでは1999年に中小企業基本法が改正され、国の中小企業政策は大きな転換点を迎えたことを述べた。
そのとき、中小企業政策審議会(中政審)は「中小企業イコール弱者ではない。むしろ大企業より勝る内容を持つ中小企業は多く存在している。」として21世紀の中小企業に期待する四項目を示した。
@競争市場の苗床 Aイノベーションの担い手 B雇用創出の担い手 C地域経済発展の担い手
今、中小企業が日本経済の命運を担っていると言っても過言でない。
中小企業政策の沿革
2010.09.01
中小企業政策
本当に暑い日が続いている。
今年も2/3が過ぎ、今日から9月に突入した。
今回から国の中小企業施策について少し話をしたい。
1948年に中小企業庁が設立され、1963年に中小企業基本法が制定された。
我が国の中小企業政策はこの基本法の考え方に基づき推進されてきたが、
その年に中小企業指導法が出来、具体的に中小企業政策が推し進められた。
中小企業政策の大きな転換点は1999年(H11年)にその政策の精神となっている中小企業基本法を改正したところにある。
それまでは「大企業との格差是正」を第一の目標にしてきた政策であったが、この改正で中小企業とは「多様な事業分野で特色ある事業活動を行い就業機会を提供して、日本経済の基盤を形成している」として、独立した中小企業者の自主的な努力を支援することで、多様で活力ある日本経済の成長が図られるとした。
※基本理念(第3条)「独立した中小企業の多様で活力ある成長発展」
この精神により中小企業指導法も中小企業支援法として改正された。
中小企業支援法では、これまでの官による「指導」から「支援」に転換する。
都道府県等中小企業支援センターを中心にする支援体制に変更する。
等々国の政策は中小企業の事業活動の支援体制を充実することに徹しようとしたのである。
そして、中小企業への政策予算の考え方(補助金、助成金の考え方)は、まず第一に「やる気のある企業に出す」であり、「やる気のない企業は早くビジネスプレイヤーから退出を願う」。
又「10万円バラマクのであれば、10年後に100万円の法人税が獲得できるものに投入する」。というものであった。
具体的な施策としては、1995年に中小企業創造活動促進法が施行され、企業の創造的事業活動を推奨し、さらに1998年に新事業創出促進法、1999年に中小企業経営革新支援法ができ、企業の経営革新と創業促進をバックアップする体制を整えた。
現在は3つの法律を中小企業新事業活動促進法で一まとめにしている。
次回はこのあたりを詳しく話したい。